PowerPointのスライドサイズは4:3サイズと16:9サイズの2種類が使用できますが、どちらがいいのでしょう?プロジェクターを使った学会発表の場合、4:3のスライドを勧めていましたが、昨今はオンライン学会でプレゼンテーションのスライドや動画を見る機会が多くなり、16:9のスライドがより一般的になっています。横長スライドデザインのメリット、デメリットについて考えていきましょう。
BEFORE
援助的コミュニケーションについて説明したスライドです。スッキリしたデザインでアイコンも使ってスマートな印象ですが、左右がアンバランスで視線の移動もしにくい気がします。
直したい!
全体に左に寄りぎみ
①→②→③の視線の移動や、赤字の説明への視線の流れがつかみづらい
AFTER
直した!
援助的コミュニケーションを三角形の循環図で表現した
スライドを縦に分割し、左から右に流れを作った
アニメーションをさせるとこんな感じです。
解説
1. 左右のバランスをとる
16:9のスライドの解説の前に大切なこと、レイアウトのバランスについてお話します。BEFOREのスライドは、患者と医師のアイコンが全体的に左側に寄っているのが気になります。
どんな構図のときでもスライドの正中は常に意識することが基本です。初期設定のスライド上で右クリックし、「グリッドとガイド」→「垂直方向(水平方向)のガイドを追加」で、正中に2本のガイドが現われます。
もともとのレイアウトを残して左右のバランスを整えるとこのようなスライドになります。
これだけでもずいぶんすっきりとした印象になりますが、さらに工夫をしてみましょう。
2.16 : 9 サイズのレイアウトを考える
PowerPointでは4 :3 のスライドと16 : 9のスライドの二種類をデフォルトで選べますが、このふたつの違いはなんでしょう?最もシンプルで大きな違いは、横幅の長さです。
16 : 9サイズの方が画面が大きくたくさんの情報を入れることができるのですが、左端から右端まで一行のテキストを書いてしまうと視線の移動が煩わしくなってしまいます。
この場合左右の余白を広くとる、改行するなどをして、読みやすいレイアウトにすることが大切です。
先ほどのスライドでは、①援助的コミュニケーションの構造と、②援助的コミュニケーションの利点という二つの情報が入っていますが、上から下に大きな流れができているため、「横長の情報」から「横長の情報」というレイアウトになっています。
こうした横長の見づらさを解消するため、左から右に大きな情報が流れるようにしたものが下のデザインです。
16 : 9のスライドの場合、このように縦に二分割した情報をゆったりと入れられることが最大の利点です。たとえば、左側に大きく図やグラフを表示し、右側でテキストで解説を入れるなども、4:3のスライドより余裕をもって入れることができます。
ただし、情報を多く入れられるからといって詰め込みすぎてはかえって伝わりづらくなります。広く使えるからこそ情報量をうまく制限し、余白や行間を利用してきれいなスライドデザインにしましょう。
3.再びバランスをとる
最後にもうひとつ。AFTERのスライドの左側の図は、円と矢印の組み合わせで三角形の循環図を描いています。PowerPointのSmartArtの機能でも似たような図が描けますが、細かい調整が難しく、結局パーツから組み合わせた方がきれいに描けます。
こうした図の中でも、バランスが取れているかどうかは見た目に大きく影響します。適当に配置するのではなく、実際に三角形をあててみるなどして、均等にバランスがとれているかを確認しましょう。
こうした作業は少し面倒ですが、きちんと整えるだけでも見た目の印象はとても変わります。ぜひご自身がきれいに感じられるスライドを追求してください。
※スライドはすべてmicrosoft Excell office 365およびmicrosoft Powerpoint office 365 Window10 を使用しています
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