パッと見て「わかりやすそう」と思いきや意外とよくわからない。それがフローチャートの問題です。フロー(流れ)をうまく見せるにはどうデザインすればいいか、考えていきましょう。
BEFORE

発達障害の就労支援について各機関の関連を表したチャートです。余計な要素は少なく、なんとなく表したいことはわかりますが、双方向の矢印が多く、どこからどう見ていいかがわかりづらいです。
直したい!
情報の流れが見えるようにしたい
できるだけ自然な視線の流れに対応したい
見た目をきれいに整えたい
AFTER




アニメーションをさせるとこんな感じです。
直した!
情報に合わせて順に項目が現れるようにした
デイケア→訓練給付→就労先と、利用者が実際に参加する流れを意識した
ボックスのデザインを整えた
解説
1.フローチャートを考える

フローチャートは複雑な情報を整理して示すために最適なデザインですが、情報が分岐したり双方向の矢印が現れると、視線がさまよってしまい、流れをつかみづらくなってしまいます。

また、今回「医療機関→訓練給付→就労先」の流れで見られるような下から上の流れがあると、さらに情報の把握が難しくなってしまいます。

情報は左から右、上から下に流れると理解しやすいことを意識しましょう。
今回はフローチャートを一度に見せるのではなく、プレゼンテーションの流れに沿って順に見せていくことにしました。ここで大事なことは、情報をどのような順に見せるかをしっかりと検討することです。

① 医療機関(デイケア)、相談機関、就労支援機関という3つの機関が大きく関わっている

② 医療機関およびデイケアから訓練給付による職業訓練につなげ、就労支援機関も関わっていく

③ 相談機関やコーディネートの機関が医療機関等と相談し、さらに就労のステップアップをサポートしていく

④ 様々な機関のサポートを通じ、就労訓練からさらに先の就労につなげていく
といった流れにしてみました。これが完璧ではないですが、一度に視界に入る情報を制限し、ひとつひとつ説明していくことで、それぞれの項目が頭に入りやすくなります。
また、デイケア→訓練等の給付→就労先のボックスの色とアイコンを統一し、実際に利用する先をハイライトさせてみました。
2.角丸四角形の注意点
角の丸い四角形は気がつけばWebやアプリのいたるところで見られるようになったデザインであり、やわらかく優しい印象を与えるので使い勝手もいいですが、角の丸さには注意が必要です。

ボックスに文字やアイコンを入れる場合、縁から適度に間隔(マージン)を空ける必要があります。この際、角を丸くしすぎると情報を入れるスペースが狭くなり、無理に入れてしまうと上の図のように不格好な見た目になってしまいます。
鋭角な四角形から、角を少しだけ丸めるだけでも印象は変わります。真ん丸な角丸を使いたいときはきちんと情報を中央に寄せるようにしましょう。
※スライドはすべてmicrosoft Powerpoint office 2019 Windows10 を使用しています
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