• Kobayashi Kei

OBSで学会発表用動画をデザインする(前編)

学会、勉強会、医局会、研究ミーティング、ほとんどがオンライン会議で行うことを余儀なくされている今日このごろ、Web開催の学会などでは講演やポスター発表の代わりに「自分で動画を作成して送りなさい」という機会が増えています。今回は非常に優秀なフリーソフトOBS studioを使って動画作成をする方法についてご紹介します。


1.OBS studioとは


OBS studio(Open Broadcast Software studio)はYoutubeなどでのライブ動画配信のために作られたフリーソフトです。なので検索するとゲーム実況の話題ばかりが出てきますが、配信をしない動画の作成にもとても便利で優れた実力を発揮してくれます。


OBSの利点としては


・無料!

・動作が軽い

・初心者でもそれほど難しくない

・画面レイアウトを好きなように組める

・PowerPointと違い音声の途切れがない

・音のミキシングやノイズリダクションなどの機能がある

・動画のフレーム数などの細かい設定が可能


という感じです。実際に最もシンプルな手順で作成した動画がこちら。前編ではこの動画を作るまでを紹介します。


これならPowerPointでも作れるんじゃないの?ときっと思われますが、実際にやってみたところPowerPointでは音の処理に問題がありました。以下がPowerPointで作った動画です。


スライドが切り替わる際に音の途切れや音量のムラが出ているのがおわかりでしょうか?PowerPointではスライド単位で音声を保存するため、リズミカルにスライドを切り替えてプレゼンテーションをする場合、スライドの切り替わりのタイミングで必ず音が途切れてしまいます。30秒程度の動画であれば気になりませんが、長時間の動画視聴の場合はけっこうなストレスになってしまいます。


また、OBSはレイアウトに融通がきくため、このような動画も作成することもできます。

視線が定まらない…。この作り方は後編で説明します。

さらにすごくがんばれば、スライドを背景にして自分がしゃべる動画も作ることができます。(写真は合成です)


というわけで便利でクオリティの高い動画作成が可能なOBSを、設定方法から順にご紹介していきます。


2.OBS studioの設定


まずはこちらからアプリをパソコンにダウンロードしてください。ダウンロードしたアプリを開くと「自動構成ウィザードを実行しますか?」という画面が出てきますので、「はい」を選択してください。この設定は後で変更可能なのでそれほど慎重にならずに進めてもらって大丈夫です。



次の「使用情報」では、今回は録画のみをするため「録画のために最適化し、配信はしない」を選んでください。



続いて「映像設定」では「基本(キャンパス)解像度」は「現在の値を使用」、FPSは「30」を選択してください。



ちなみにFPSとは"Frames Per Second"の略で、動画を作る際に1秒間に表示される静止画の数(動画は静止画の集合体)になります。なのでFPSの値が大きいほど動きは滑らかになりますが、その分データは重くなります。スライドショーをするだけであればほとんど動きはないため、20くらいでも十分鑑賞可能かもしれません。



自動構成ウィザードはとりあえずこれで大丈夫ですので、「設定を適用」してください。


OBSのメイン画面がこちらです。

続いて録画の設定をしますので、画面右下の「設定」ボタンを押してください。


「設定」の左側「出力」タブをクリックし、「録画」の「録画ファイルのパス」から作成した動画の保存先を設定します。さらに「録画フォーマット」をクリックすると、提出先から求められている保存形式に設定できます。今回はmp4で保存するようにしましょう。


OKをクリックしたら、ひとまず録画のためのOBSの基本設定は完了です。



3.PowerPointのスライドショーを表示させる


いったんOBSから離れ、PowerPointで発表したいファイルを開いてください。ファイルを開いたら上部タブ「スライドショー」を選び「スライドショーの設定」をクリックします。



左上「種類」の項目の「出席者として閲覧する(ウインドウ表示)」を選択し、OKしてください。



この設定で何が変わるかというと、スライドショーをフルスクリーンでなく、サイズ調整可能なウインドウで開くことができます。


このように画面の左半分と少しくらいにPowerPointのウインドウを配置すると使いやすいです。


続いてPowerPointのスライドをOBSの画面に表示させます。PowerPointはまだ閉じないでくださいね。OBS画面左下の「ソース」にある「+」をクリックします。



メニューバーが伸びますので、一番上にある「ウインドウキャプチャ」を選択します。OBSではメイン画面に追加するほとんどのパーツがこのソースにまとめられているので、操作がとてもシンプルです。優れたインターフェイスデザインですね。



「ソースを作成/選択」というウインドウが出ますので、「新規作成」し適当な名前をつけます。今回は「PowerPoint」とつけましょう。



「'PowerPoint'のプロパティ」という画面が出ますので、「ウインドウ」から「[POWERPOINT.EXE]: PowerPointスライドショー」を選択します。



これでOBSの画面にスライドが埋め込まれました。周囲の赤い枠をドラッグするとサイズが自由に調整できますので、ぴったり入るように調整してください。



ちなみに私は外付けのマイクを使用していますので、USBマイクを追加したい場合は「ソース」の「+」を押し、「音声入力キャプチャ」を選択します。



名前を「mic」として[USB MICROPHONE]を設定すると、画面中央下のオーディオミキサーに「mic」が出現します。



USBマイクの音だけを録音したいので、下の「デスクトップ音声」と「マイク」の右側にあるスピーカーボタンをクリックし、赤いミュートの状態にしましょう。

また、実際にしゃべってみた際にミキサーの「緑→黄色→赤」のゲージが赤まで達すると音割れしてしまいます。直下の青いスライダを下げ、黄色に収まるように調整してください。


これで録画のための設定はできました!


4.録画する


あとは右下にある「録画開始」のボタンを押せば録画がスタートします。



このときに注意すべきは、「録画開始」ボタンを押した後、再度PowerPointのウインドウをクリックしないと、スライドを進めることができません。



カウントダウンキューの機能がないのでここでちょっと慌ててしまいますが、ぜひ何度も撮り直して慣れてください。


録画が終了したら、「録画開始」のボタンが「録画終了」になっていますので、これをクリックします。すると設定の際に指定したフォルダにmp4ファイルが自動的に書きだされます。



これでできあがりです。おつかれさまでした!



後編ではさらにカメラで撮った画像の入れ方、文字の入れ方などを簡単に説明していきます。



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※スライドはすべてmicrosoft Excell office 365およびmicrosoft Powerpoint office 365 Window10 を使用しています