top of page
  • 執筆者の写真Kobayashi Kei

スライドで使える色のテクニック

色づかいはグラフィックデザインの重要な要素であり、色調や明るさを少し変えただけで全体の印象が大きく変わります。独特な理論と繊細な感覚が要求される奥の深い色の世界。まずは基本的で実践的なルールをご紹介します。


BEFORE

腎臓病の経過について示した一般向けのスライドです。シンプルでメッセージも明確ですが、色の印象がバラバラしており、読みにくい部分もあります。


直したい!

  1. 赤い文字や黒い文字が読みにくい

  2. すっきりときれいな色づかいにしたい


AFTER


直した!

  1. 色を「濃い色のボックス+白い文字」に統一し、デザインを改善

  2. グラデーションを使って時間的変化を視覚的に表現した






解説

1. 濃い色に濃い色をぶつけない


色の選び方には様々な理論があり、もっとも基本的な要素として色調・彩度・明度の概念がとても大切ですが、この説明は意外とわかりにくいため、まずは世の中には濃い色と薄い色があるという感覚でとらえてください。

(彩度・明度についてはこのサイトがとてもわかりやすく解説しています)


パッと見てわかるように、濃い色はくっきりと力強い印象、薄い色は柔らかく軽やかな印象など、色の違いによって異なる印象を受けることがわかります。さらに色は組み合わせることにより無限の印象を私たちに与えてくれますが、色の組み合わせに関する大事なルールとして、濃い色の背景に濃い色の文字を乗せてはいけません。

色つきのボックスや丸に文字を入れることはよくありますが、このとき濃い色どうしを組み合わせると非常に読みづらく、チカチカするような不思議な現象まで起きてしまいます。濃い背景を使う場合、まずは一律で白い文字を使うことをおすすめします。


逆に薄い色の背景の場合、白や薄い色の文字を乗せると読みづらくなってしまいます。

薄い色の背景の時は、黒に近いグレーや同系色の濃い色(薄いピンクに濃いピンク)など、濃い色をのせることでコントラストをはっきりさせましょう。



2.塗りとワク


今回のBEFOREのスライドでは、「沈黙の殺人者」のところで濃い背景に濃い色の文字をのせているだけでなく、青い楕円に赤い枠線をつけています。

強調を狙った効果とは思いますが、円でも四角でも、中を塗ってさらに外枠に色をつけるとやぼったい印象を与えてしまいます。


塗りとワクの両方に色をつけるのではなく、塗りのみ、ワクのみに彩色をするとすっきりしたデザインになります。


最近ではあえてこうしたルールを破り、レトロインターネット的な表現が逆にオシャレ、みたいな風潮もありますが、逆にオシャレを狙うにはその逆の正道を押さえておかないとわざとなのか天然なのかよくわからない感じになってしまいます。

子供のころぬり絵で楽しんだように、色と戯れるのはとても楽しい遊びです。シンプルなルールを理解し、すっきり見やすいデザインを試してみてください。




※スライドはすべてmicrosoft Powerpoint office 365 Window10 を使用しています

閲覧数:743回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page