ストーリーに時間をかけるとスライドは楽になる
「時間と手間をかけずにきれいなスライドを作る」第3回、今回はいかに効率よくプレゼンテーションのストーリーを作るかです。
ここまでスライド作成の作業を整理し、迷いを減らして効率化するテクニックをお伝えしてきました。
ここで大前提に戻り、最もスライドをかんたんに作る方法をお伝えしましょう。
ストーリーがきちんとできていれば、スライドはそこに乗せるだけ!
です。スライドを作りながらストーリーを考えるのではなく、まずストーリーを作りスライドを補助として作ることが最善手と私は考えています。
なので最も時間をかけるべきはスライドではなく、このストーリーのデザインです。
ストーリーの作り方についてはこちらで紹介しているので割愛しますが、今回は時間のない中で効率的にストーリーを作る方法について考えていきます。
アウトラインを描く
何の整理もしていないままストーリーを書き出してはいけません。全体像が見えていないと必ずどこかで整合性が取れなくなり、修正も大変になります。
まずは何の話をするのか、その構成要素を並べましょう。見出しを箇条書きにしてもいいですし、miroなどのホワイトボードツールを使ってふせんで並べるのも有効な方法です。
まずは最初から最後まで自分の話をしっかり俯瞰できていることが大切です。
複雑な話を作るときはよくmiroを使います
演出は後回し
「ここで笑わせたい」「ここでちょっと驚かせたい」と演出を加えることは大事ですが、それはストーリーができてから考えましょう。
ウケを狙うのは後回し
最初から枝葉の部分にとらわれていると無駄に時間がかかってしまいます。まずは根幹となる一連のストーリーを考えて、その後で演出を考えるほうが得策です。
演出の方法はさまざまであまり型にはめないほうがおもしろいですが、例として
観客に問いかける
自分のエピソードと本筋をからめる
エンターテインメント作品を引用する(著作権注意!)
前提を自ら否定し、話をひっくり返す
などがプレゼンテーションではやりやすいです。無味乾燥な話も退屈ですので、本筋が崩れない程度にチャレンジしてみてください。
こういう問いかけをストーリーにうまく絡めてみましょう
スピーカーノートをフル活用する
ストーリーを元にシンプルなスライドを作ったときに悩ましいのが、ストーリーを覚える作業です。文字だらけのスライドであればそれを直接読めますが、スライドの情報量を減らすと自分の言葉を暗記しておく必要があります。
オンラインプレゼンテーションであれば、スピーカーノートをフル活用しましょう。スライドのノート部分に話すべきことを全部書き、読み上げていけば暗記にかかるコストを減らすことができます。
すごく便利ですがリスクもあるツールです
このとき大事なことが2点あります。
ひとつは読み上げていることがバレないように読むことです。いかにもテキストの文調で棒読みで読むと、観客は興醒めし、話も頭に入らなくなります。できるだけ語りかけるように感情のこもったテキストを書き、いかにも暗記して話しているように話せば読んでいるかどうかはあまり気にならなくなります。
もうひとつはアドリブを入れると迷子になりやすいことです。読み上げている途中で書いてない話題を加えると、テキストに戻るときに慌てることがあります。アドリブは大切なので入れることを前提とし、書いたテキストは暗記しないまでも自分の頭には入れておくようにしましょう。
この方法は残念ながらオフラインでは滅多に使えません。リアルで登壇するときはしっかり覚えて練習することをおすすめします。
極端な話、ストーリーが完璧であればスライドは不要ですが、複雑な情報を伝えるために視覚要素はあると便利です。
これからも効観客にとって価値のあるプレゼンテーションを、いかに効率よく作るかについて考えていきましょう。
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